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Les gens flottent dans le monde.
「クローズアップ現代」で、現在ひきこもりが、若者たちだけの問題ではなくなってきていると言っていた。つまり、35歳か39歳までのひきこもりたちが、40%強を占めているというものだ。40歳以降は統計を取っていないが、やはり少なくはない数、いるのではないかという話だった。
彼らの引きこもりの引き金となったのは、「就職活動の失敗」と「職場での関係が作れなかったこと」が上位を占めていた。これは、登校拒否からひきこもりへ、という過程を経た子どもたちの問題とは異なったものである。
今日、フランス人の先生の授業を受けていた。今日が彼女の授業を受ける最後の日だった。その中で彼女は、「日本の若者たちは、何故あんなに子どもでいたがるのか」ということを聞かれた。フランスでは、若者たちははやく自立して、背伸びしてでもより大人に見られたがるのだそうである。
日本の若者が、子どもでいたいのは何故なのか。庇護されていたい、というのが一つ上げられる。また、私の個人的な感覚でいえば、「大人になる=一人で生きていく」というのが強いからではないだろうか。一人で生きていくことに強い不安を私は覚える。
もちろん、家族以外にも支えがあってこそ自立していけるものだとは思う。しかし、人間関係が希薄で、何が何でも働かなくてはいけないというような死活問題でない以上、自立というのはとても難しい。自分が死ぬかもしれないという深刻さが足りていないのだ。ひとまず、親が生きているうちは自分は何とかなる、といったような。
引きこもっている人たちの多くは家族に申し訳ないという気持ちを持っているとあった。だから、一概には言えないが、甘えを排除した精神的な自立とともに、空間的な自立も社会的に確立させなければならないと思う。
私もこのまま、大学院へ進んでいつかは就職するだろう。何らかの形で働き、自分が生きていけるだけのお金を稼がなければならない。私にはその将来的な見通しというものが、はっきりと見えていない。
メディアにおいても、大人になること、自立することのヴィジョンをもっと示してもいいのではないだろうか。そうでないと、「身近にいるようなちょっと可愛い子は誰だってアイドルになれる」、「若ければ若いほどいい」、そんな考えが広まってしまう。実際小学生たちの中には、20年後の私はAKBのメンバーに入っていると、疑いなく言う子もいるのだから。むしろ「子どもでいる方がいい」という情報を与え続けている。
ひきこもりは、漂う孤独な生き物だ。もはや子どもではない。それなのに、大人になりきれない。大人と子供のあいだを不安定にゆれている。ひきこもりだけではなく、多くの若い人たちにとっても、言える問題だ。フランスの若者たちのような姿は、日本の若者にはほとんどない。
フランスとは国も違うし、環境や気質も異なってくる。だが、私はこのまま、親に頼って、もたれながら生きていたくはないと思う。こどもではもうない。大人ではないかもしれない。はざまで、私は、漂っている。
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