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Le film progresse de temps en temps.


映画『アンストッパブル』を観てきた。

一緒に行ったのは、高校の時の友人二人だ。二人とも働いているので会うのはほぼ半年ぶりといったところだろうか。懐かしかった。観た映画は、実話をもとにしたという、『アンストッパブル』というもの。

私のステレオタイプな認識で、「アメリカ物は、最後に正義は勝つといったようなチープなもの」だろうと思っていたが、なかなかに面白かった。映画自体を観るのも久しぶりだったのでなおさら新鮮に感じられたのかもしれない。

大量の毒物を積んだ、無人の貨物列車が、暴走する。それを食い止めようとする若い車掌と、ベテラン機関士の話。列車の激しい走行音と、スピード感のある映像、テレビ局や避難する人々の映像などが緊迫感を伝えていた。私が気になったシーンは二つある。

一つ目は、最初に列車を止めようとした、ステュアート。責任者の指示に従い、彼も暴走する列車の前に列車を走らせ、接合させて食い止めようとする。彼もベテランであった。前から列車をくっつけるのは、その後の暴走列車の後ろから追いつき、接合する部分の前座のような話になっていた。ゆえに、勿論前から列車をぶつける作戦は失敗する。そして、失敗の結果死者が出てしまうのだ。この映画での唯一の死者は、ステュアートであった。

懸命な作業にも関わらず止まらない列車。たまらず、同じ路線から離れるが、ステュアートの列車は脱線し横転する。はっきりとした彼の死は描かれていなかったが、横転し炎上する列車を観れば、結果は明らかだった。彼にも家族がいただろう。ただ一人彼の死を悼んだ人物として描かれていたのが、もう一人のベテラン機関士、フランクだった。私は、彼の死が妙に強く印象に残った。たった一人、暴走列車と戦い死んでいった人。話の大筋ではほんの少ししか描かれてはいないが、彼の死はささやかなものではなかったように思う。

もう一つ印象に残ったシーン。それは、機関士フランクが二人の娘たちに電話をかけるところだ。18歳の妹と19歳の姉。姉の誕生日が事故の起こったまさにその日であった。あやうく暴走列車とフランクたちの乗る列車がぶつかるか、という直前、フランクは姉の方に電話を入れる。事態を知らない姉は、誕生日に真っ先に電話をくれなかった父親に不満を示しているが、フランクは余計な事は何一つ言わず、ただ「愛している」といっていた。その一言の重みで、私は酷く切なくなってしまった。

何も知らない肉親、自分がどのような危機的状況かも伝えず、ただ大切なことだけを言う。そこに胸が締めつけられるような感覚を覚えた。

映画は良く見る方ではない。年に2本、見るか見ないか。DVDでもそう見ない。だが、たまに見るととても興味深い。私は必要以上に感情移入してしまう部分があるので何とも言えないが、この作品は割と好きな方であった。

映画自体の質も、映画館そのものの変化していく。その流れは止まらない。以前だったら3Dなんて存在しなかったし上映作品も限られていた。映画をこんなに自由に見て回れるこの時代、もう少し映画を観るようにしても良いかもしれないと思った。

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