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Le théâtre est aimé par presque tout le monde.
川上音二郎。彼の生涯を描いた演劇がテレビであっていた。
川上音二郎は西洋式の劇場を日本に初めて作った人物として名高い。彼の妻、貞奴子もともに有名だ。今日見た芝居の中で時に気になったのはこのセリフ。
「駄目と言われて、燃えてくるのがこの音二郎だ!」
とのこと。民権運動の演説を行い、規制されたことから、芸人になった音二郎。その落語家として語る自由民権運動も抑圧されたことから、彼は歌舞伎ではない、新しい芝居をすることとなる。19歳の音二郎の熱演が良かった。
また、音二郎は
「我々には志がある、そして何より庶民を想う心がある!」
といっていたのが、気に入った。時代を変えるうねりの中で、そのような真剣な気持ちを語ることができるのが、私には少し、羨ましい。
貞奴は初代総理大臣、伊藤博文が後ろ盾となった、芸者。彼女と音二郎との仲をもっと見たいと思ったが、内容は音二郎の人生だったので、そう貞奴の活躍というものは描かれていなかった。
演出はギンギラ太陽’sの大塚ムネト。脚本は長谷川法世だとか。興味深かったので前半の2時間半はテレビの前で見ていたが、後半は諦めてしまった。
ただ、それを残念とは思わない。私はこの芝居を見ることで、音二郎の言葉を手に入れた。勤皇の志士や、幕末の時代など、なにか大きな時代の動きがある時に活躍する人々は魅力的だ。彼らの声というものに、つい私は感情移入してしまう。
そうやってあこがれる気持ちはあるけれど、その上で今があるのということも忘れないでいたい。平穏な世の中は、その下に多くに人々の犠牲があるのだということを、忘れてはいけない。
この芝居で伝えたかったことは、全く別のことであるかもしれない。ただ、私が感じたことは、芝居をすかしてみた、その向こう側にある感情のようなものは、犠牲の上に成り立った、今の幸せではないかと。そう思ったのだ。たとえそれが私の誤りであっても良い。芝居をとおして、何かを得たような気になれるのが大切なのだ。
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